ツルオン感想ブログ

映画や本や音楽に触れた時の思いを書いてきます。

映画:ディア・ドクター

永い言い訳』完成記念。個人的西川美和キャンペーン第2段。
新作でたので、旧作を全部見ようぜっていう個人的キャンペーンです(笑)

               

あらすじ
蛇イチゴ』『ゆれる』の西川美和監督が、へき地医療や高齢化など現代の世相に鋭く切り込む人間ドラマ。本作で映画初主演を務める笑福亭鶴瓶が無医村に赴任した医師を演じ、その医師の失踪(しっそう)をきっかけに浮かび上がる彼の人物像を軸にした心理劇が展開される。『アヒルと鴨のコインロッカー』の瑛太のほか、八千草薫余貴美子など、若手やベテランともに実力のあるキャストが集結。人間の複雑な内面をえぐり出すことに定評のある西川監督のオリジナル脚本に期待したい。

村でただ一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪(しっそう)する。村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが、彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。事件前、伊野は一人暮らしの未亡人、かづ子(八千草薫)を診療していた。かづ子は次第に伊野に心を開き始めていたが、そんな折に例の失踪(しっそう)事件が起き……。

映画『ディア・ドクター』 - シネマトゥデイ

 

 

キャッチコピーが、その嘘は罪ですかということで、物語は鶴瓶演じる伊野のニセ医者としての行動が良いのか悪いのかを考えさせる出来事が続いていく流れになっている。
けれども、僕が見ていて思い出したのは、一人暮らししているおばあちゃんのことであり、離れて暮らしている両親のことであった。
ふと寂しくなって家族と会いたくなる日があるだろうなぁ。その割りに僕は自由に生きていて、あんまり一緒に過ごしてないなあと。明日辺り電話でもしようかなと、そんなことを考えながら見ていた。
家族としばらく会ってないかた、ぜひこの作品をみて、家族に電話しましょう(笑)

 

「嘘について」
相手のことを思いやって、自分の思いと違うことを言ったりしたりするのは嘘なのか。そしてその嘘は罪なのか。
生きてれば多かれ少なかれそんなことの連続であって、いちいち突き詰めて考えるのがおかしいのかもしれない。
ましてや、それを部外者が判定するなんてきっともってのほかなんだ。
最近はネットで、部外者が判定することが多くなっている気がして、大きなお世話だなといつも思う。当事者にしかわからんぞと。
伊野が、かづ子の思いに答えようとしていたのに、かづ子の娘の思いにも答えたくなって、どうしようもなくなるときの葛藤がほんとに辛かった。優しすぎるぞ、伊野。

 

個人的に一番好きなシーンは、あんまり関係ないんだけど、香川照之が演技で倒れたところに、自然に手が出て助けてしまった刑事に声をかけるところ。
「今のは愛ですか?そういうことじゃないんですか?」このセリフ好き。

 

何回見ても面白い作品。