昔の恋をふと思い出したら読みたい:四月になれば彼女は
最近、僕は恋をしていない。
いいかもと思う人は何人かいて実際にお付き合いすることもあったが、燃え上がるような恋をするには至らなかった。そんな恋を探して合コンやらTinderやらを続ける毎日である。我ながらこんな活動で恋人が見つかるとは思っていない。
最後の恋は、大学生の頃だ。部活の後輩と付き合っていた頃。4年付き合って別れてしまったけれど。本当に好きだったなと今でも思う。
合コンなどで日々供給される恋人候補の女の子が途切れる時がある。そんな時に過去の恋人を思い出しては、あの頃は楽しかったと懐かしみ、寂しくなり、そしてこんな状態で結婚できるのかと焦燥するのである。ああ、なんと女々しい。
まさにこの本をTwitterのPRで見たのは、そんな焦燥しているタイミングであった。
主人公は結婚を控えた彼女とうまくいっていない。そんな時に大学時に付き合っていた彼女から手紙が来る。というストーリー。
いつもであれば、こんなこてこてであろうラブストーリーなんて読まないし、焦燥しているときに読もうとしない。(読んでしまって勢い余って元カノに連絡してしまうかもしれないし。)
しかし、なんとなく今回は気になって仕方なかった。早く読みたくて本屋を何件もはしごした。
ようやく手にした僕は、夜中まで読みふけり、一気に3日で読み切った。
前半の大学生の時の描写はかなり心に刺さった。部活の後輩であることや、始まったばかりの恋の描写は、部活のみんなにばれるところとか、かなり自分と重なっていろいろと思い出すことがあった。甘酸っぱい思いを再度疑似体験させてもらった。けれども、思ったよりかは過去の傷をえぐられることがなかったので少し驚いた。
さすがにもう自分の中で消化されてきたのかもしれない。2年前だったら無理だったなと思う。そういう意味では安心したし、わざわざこの本を読もうとした自分の行動にも納得がいった。(時に僕の行動は、脳で自覚している感覚より少し先を行くことがある。)
後半からとエンディングは、映像化を考慮して書かれたのかな?という点が散見されてあんまり共感できなかったが、前半だけで僕はお腹いっぱいであった。
(作者の川村元気さんは映画プロデューサーとのこと。)
HPなどによると、この物語は現代の若者にヒアリングした結果をもとに書いたという。とにかく若者は恋していないそうだ。とくにアラサー世代(ドンピシャです。)
確かに僕の周りもかなりの人間が恋していない。結婚するのは学生時代からの恋人がいるやつがかなりをしめている気がする。
そういう意味では、しっかりリサーチされていると思うし、僕も今の日本の若者の平均値なんだろうなと思って安心した。笑
ぜひアラサーで、最近恋をしていない皆さん、手に取って見てください。
いつかまた良い恋をして、その人と結婚したいと思うけど、もう二度とできないんじゃないかなという気もしている。。。
だけれど、恋にはいつ落ちるかわからないから、もう少し期待してみようと思う。