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ツルオン感想ブログ

映画や本や音楽に触れた時の思いを書いてきます。

本:通訳日記~ザックジャパン1397日の記録~

2010年、南アフリカワールドカップ。

オシム監督が倒れた後、岡田監督に率いられていた日本代表チームは、本番直前までどん底であった。サッカーの日本化を掲げ、中村俊輔遠藤保仁を中心にパスとアジリティを生かす試みは中村俊輔のコンディション不良もあり機能していなかった。日本国内でも悲観的な見方が強かった。

そんな中、僕はワールドカップでの日本代表の活躍を密かに信じていた。日本人は追い込まれたときほど力を発揮する民族だとなんとなく感じていた。また、腹をくくった時の岡田監督は何かをやってのける人な気がしていたのだ。

果たして、本番直前で中村俊輔を外し、本田圭佑をワントップ、阿部勇樹をアンカーに据えて、守備的に戦うと腹をくくった岡田監督率いる日本代表は粘り強く戦い、見事グループリーグを突破したのであった。

 

その後、ザッケローニに率いられた日本代表のブラジルワールドカップまでの4年間の快進撃は多くの人がまだ覚えているだろう。

就任直後に、南アフリカの勢いのまま、アルゼンチンを倒し、アジアカップを制したザックジャパンは歴代最強だったように思う。(李の決勝ゴールは鳥肌ものだ。)そんなチームを僕は大好きだった。

だから、コンフェデレーションズカップ以降、チームがうまくいかなくなっているのをなんとなく感じながらも、ブラジルワールドカップはなんとか勝ってくれるのではと信じていた。願っていた。

しかし、結果はあえなくグループリーグ敗退。ザックの苦虫をつぶしたような顔が忘れられなかった。。。

 

この本は、ザッケローニ監督の通訳を務めていた矢野大輔さんの4年間の日記をまとめたものだ。黄金期だったアルゼンチン戦、韓国戦、アジアカップ優勝。東日本大震災後のサッカーファミリーとしての対応。期待されていた家長や大久保の評価。コンフェデ、欧州遠征時からなんとなくうまくいっていない空気感。ワールドカップ本番での様子。濃密な4年間がぎっしり詰まっている。

この本を読むだけで、あのザックジャパンの冒険が目の前によみがえってくるし、ザッケローニ監督の素晴らしい人柄が矢野さんの目を通して伝わってくる。

ザックジャパンを応援し続けていた人なら、ありがとう、ザックジャパンと言いたくなるような、そんな本である。

 

大学生時代の瑞々しさを思い出したいときに読みたい:えいやっ!と飛び出すあの瞬間を愛してる

僕は今28歳(87年世代)だが、これまでの人生でいつが一番楽しかったかと聞かれれば、大学生時代だと即答できる。

茨城の田舎から東京に出てきて一人暮らしをさせてもらい、初めて自分一人で生活することを覚えた。真面目だったため、親のいうことを聞いてきた僕が、初めて親の目という縛りから抜け出したとき。自分で考えて自分で決断して、自分のやりたいことをやっていいのだと初めて実感できたとき。

その自由は、僕にとっては本当に新鮮で刺激的で楽しかった。だから、やりたいことをたくさんやった。

学園祭で所属する課を仕切り、部活では主将をやり、海外に留学した。授業をさぼることを覚え、彼女を作り、映画を見たり、色んなところに行ったりした。

決断する前は色々考えてしまって怖いけれど、自分が動くと物事が動き出すんだということがわかった感覚が最高だった。

そう、まさにえいやっ!と飛び出すあの瞬間が最高だった。

そして、社会人になった今も、あの学生時代に感じたえいやっ!を探して生きている気がする。

 

 

この本は、小山田咲子さんという早稲田大学に在学していた方の学生時代のブログをまとめたものだ。彼女は詩や写真の才能があり、いろいろな賞を受賞していたそうだが、旅行先のアルゼンチンで事故にあって亡くなってしまった。

僕は、この本は鴻上尚史さんのTwitterかなにかで知ったのだと思うけれど、タイトルを目にした瞬間に読むことを決めた。

彼女のブログをまとめたものなので、学生生活で日々起こったことや感じたことがまとめられている。レポートが終わらない話だったり、恋愛だったり、映画などを鑑賞した時の感想だったり。他愛もないものかも知れないけれど、自分の学生時代と重なる部分が多くて懐かしくなる。学生時代に戻って友達の話を聞いてるような気分にもなる。

そして、パワフルだった学生時代の自分を思い出して、負けないで頑張ろうという気持ちにさせてくれる。

 

 

社会人になってからキラキラした楽しさを感じることが少ない。なんだかしぼんでしまっている気がする。そんな時にこの本を読むと、キラキラした前向きな気持ちにさせてくれる。

えいやっ!と飛び出したいときに読んでみてください。

 

本:横浜駅SF

僕はSFが好きである。

子供の頃にスターウォーズを見たことで好きになったと思うが、それ以来、和洋、実写、アニメ、本にかかわらず気になるものを手に取っている。

スターウォーズ攻殻機動隊も好きなのだが、個人的に異質で大好きなのが椎名誠さんのSF小説だ。「アド・バード」、「武装島田倉庫」、「水域」、「みるなの木」などの世界観は本当に独特で面白い。独特にしているのが、椎名さん独特のキャラクターのネーミングだと思う。地ばしりや赤舌といった謎の生物がたくさんでてくる。また、個人的な感覚で申し訳ないが、ほかのSF小説は読みながら頭の中に浮かぶ世界はクリアだが、椎名SFの世界はザラザラしている。こういった世界観にはまり、何回も繰り返し読んだ。

 

そんななか、年末本屋をうろうろしていたら見つけたこの本、「横浜駅SF」。

アド・バード以来の和製SFという帯がついており、即購入した。

では、あらすじを。

 改築工事を繰り返す<横浜駅>が、ついに自己増殖を開始。
   それから数百年――JR北日本・JR福岡2社が独自技術で防衛戦を続けるものの、日本は本州の99%が横浜駅化した。

   脳に埋め込まれたSuika で人間が管理されるエキナカ社会。
その外側で暮らす非Suika 住民のヒロトは、駅への反逆で追放された男から『18きっぷ』と、ある使命を託された。
   はたして、横浜駅には何があるのか。人類の未来を懸けた、 横浜駅構内5日間400キロの旅がはじまる――。

 yokohamaekisf.kadokawa.co.jp

 横浜駅が自己増殖!もうこの1文でわくわくが止まらなかった。

本州のほとんどにまで増殖した横浜駅で出会う奇天烈なロボットや地名(九十九段下、42番出口)は椎名SFに通じるものがあって、またこういった世界に出会えたと本当に嬉しくなった。

番外編もすでに予定されているようで非常に楽しみである。

 

椎名SFが好きな方はぜひ読んでください。

 ↓

昔の恋をふと思い出したら読みたい:四月になれば彼女は

最近、僕は恋をしていない。

いいかもと思う人は何人かいて実際にお付き合いすることもあったが、燃え上がるような恋をするには至らなかった。そんな恋を探して合コンやらTinderやらを続ける毎日である。我ながらこんな活動で恋人が見つかるとは思っていない。

 

最後の恋は、大学生の頃だ。部活の後輩と付き合っていた頃。4年付き合って別れてしまったけれど。本当に好きだったなと今でも思う。

合コンなどで日々供給される恋人候補の女の子が途切れる時がある。そんな時に過去の恋人を思い出しては、あの頃は楽しかったと懐かしみ、寂しくなり、そしてこんな状態で結婚できるのかと焦燥するのである。ああ、なんと女々しい。

まさにこの本をTwitterのPRで見たのは、そんな焦燥しているタイミングであった。

 

主人公は結婚を控えた彼女とうまくいっていない。そんな時に大学時に付き合っていた彼女から手紙が来る。というストーリー。

いつもであれば、こんなこてこてであろうラブストーリーなんて読まないし、焦燥しているときに読もうとしない。(読んでしまって勢い余って元カノに連絡してしまうかもしれないし。)

しかし、なんとなく今回は気になって仕方なかった。早く読みたくて本屋を何件もはしごした。

ようやく手にした僕は、夜中まで読みふけり、一気に3日で読み切った。

 

前半の大学生の時の描写はかなり心に刺さった。部活の後輩であることや、始まったばかりの恋の描写は、部活のみんなにばれるところとか、かなり自分と重なっていろいろと思い出すことがあった。甘酸っぱい思いを再度疑似体験させてもらった。けれども、思ったよりかは過去の傷をえぐられることがなかったので少し驚いた。

さすがにもう自分の中で消化されてきたのかもしれない。2年前だったら無理だったなと思う。そういう意味では安心したし、わざわざこの本を読もうとした自分の行動にも納得がいった。(時に僕の行動は、脳で自覚している感覚より少し先を行くことがある。)

後半からとエンディングは、映像化を考慮して書かれたのかな?という点が散見されてあんまり共感できなかったが、前半だけで僕はお腹いっぱいであった。

(作者の川村元気さんは映画プロデューサーとのこと。)

 

HPなどによると、この物語は現代の若者にヒアリングした結果をもとに書いたという。とにかく若者は恋していないそうだ。とくにアラサー世代(ドンピシャです。)

確かに僕の周りもかなりの人間が恋していない。結婚するのは学生時代からの恋人がいるやつがかなりをしめている気がする。

そういう意味では、しっかりリサーチされていると思うし、僕も今の日本の若者の平均値なんだろうなと思って安心した。笑

ぜひアラサーで、最近恋をしていない皆さん、手に取って見てください。

 

いつかまた良い恋をして、その人と結婚したいと思うけど、もう二度とできないんじゃないかなという気もしている。。。

だけれど、恋にはいつ落ちるかわからないから、もう少し期待してみようと思う。

 

元気に前向きになりたいときに見たい:きっと、うまくいく

 ボリウッド発、笑いあり、涙ありの青春コメディ。 

あらすじ

行方不明だったランチョー(アーミル・カーン)が街に戻ってくると聞き、ファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)は母校に向かう。10年前、三人は名門大学の学生だった。真っすぐなランチョーは異議があれば学長にすら物申し、好きなことに打ち込んでいた。しかし、ランチョーと学長の娘・ピア(カリーナー・カプール)が接近したことから、3人は卒業目前で退学を言い渡されてしまう。

http://www.cinematoday.jp/movie/T0017342

真っ直ぐで自由人のランチョーを中心に、ファルハーンとラージュ―の3idiotsの青春学園群像劇です。

成績を一番に考える学長、世間体や将来の安定のために子供のやりたいことを無視する親との対立、そして恋、と盛りだくさん。盛り込みすぎたのか3時間と長い映画ですが、飽きることなく見ることができます。

内容てんこ盛りで色々起きますが、最後にはクルッと平和解決ですっきり爽快なエンディングです!

 

なんだか成績一番の学長がでてくるなんて日本の教育現場のあるあるかと思っていましたが、インドでは日本以上に学歴社会がはびこっているようで。。。どこの国も同じなんだなぁと思いました。

 

話としてはどこかで見たことがあるような内容なのに、あれよあれよと引きこまれてしまうのは、インド的カラフルな画面だったり、脳天気音楽のおかげなのかなと思います。

とくに、All is well~♫の歌は本当に最高で元気になります。


All Is Well -3 Idiots - HD Full Vedio Song

ああ!こんな学生生活を送りたい!笑

 

なんだか日々が憂鬱だな~とか楽しくないな~なんてとき、この映画を見ると元気に慣れそうですよ!

 

All Is Well!!

 

 

 

死を実感することが生を際立たせる:葬送の仕事師たち

生きてる実感と死ぬことへの怖さと興味が常にあって、生死に関わる本はよく手にとってしまいます。
そんな本のひとつ。 

                 

いわゆるおくりびとや火葬場、葬儀場で働く人たちの生の声が取材されています。
彼らの故人への思いやプロ意識に胸打たれます。

普段はなかなか感じない死を身近に感じている彼らは今を自分より濃密に生きてる気がしました。

また、お葬式にて遺族が故人のことを偲んでいる瞬間は本当に感動的で、自分もそんなふうな最後だといいなと思いました。
送別会や結婚式などの節目で誰かを思う瞬間もお葬式で故人を思うのと似ている気がして、そういう節目に誰かを思ったり逆に思ってもらえるのが幸せだよなと感じました。

本:なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか

仏でのテロをきっかけに手にとった本。
読めば読むほど、未来永劫に戦争がない状態を創りだすのは不可能だと思ってしまった。

               

気になった点を二つ。

1.「戦争はビジネス。平和が産業化できない限り戦争はなくならない。」
日本も重工系の会社が兵器を作り始めるようだけどやはり儲かるんだろう。。
プーチンもISIS止めたいなら、兵器の供給先を探すべきなのに欧米はなぜやらないんだと言ってたし)
という現状を踏まえつつ、平和を産業化することができたら面白いなと思った。
最近、いい方法はないか考えてはみている。全然思いつかないけど。

 

2.「昨日と同じ今日が来る。今日と似た明日が訪れる。私が望んでいる平和とはきっとそういうことなんだ」
この本は平和って何?という問いからスタートしていて、あとがきの最後にこの文章がある。
本当にそうだなと思うわけだけれど、逆に今日と同じ明日が来るといいなと思えない状態はすべてが平和ではないんだと思う。
だから、戦争だけじゃなくて、難民の人も貧困にあえぐ人もいじめられてる人も平和じゃないだろう。前回の大戦は不景気から始まったけど、平和じゃない人が増えると戦争が起こるのかなぁとなんとなく思った。今の日本の空気とかそんな感じ。

凡人としては、とにかう今日と同じ明日が来るといいなと思える毎日を過ごせるよう頑張ろうと思った。